エヴァンゲリオンにさようなら出来ない話
書けと言われたので書きました。
ラストラン特典のEVA-EXTRA-EXTRA、内容マジでエグイのでまだ間に合うなら絶対に手に入れた方がいいっす。
エヴァ好きなら本当に一生物になりますよ。
シンジ君はエヴァンゲリオンとさようなら出来たようですが、僕はそんなことは出来ません、助けてくれ。
アニメの新世紀エヴァンゲリオンは確かに終わりました。
でもコンテンツとしてのエヴァは生き続けます。恐らく僕が死んだその先も。
それ程までに偉大で、僕自身どころか社会にまで影響を与え続けた作品だった。
作中のシンジの「さようなら、全てのエヴァンゲリオン」って台詞。
緒方さんはどういう想いで収録したのだろう、ということを考え続け眠れない日々が続いています。
※これはシンエヴァの感想・考察文ではなくオタクのお気持ち整理文です
思い出話をすると、そもそもエヴァを初めて観たのは、いつだったか忘れた。
中学か高校辺りでビデオだかDVDだかも忘れたが、確かTSUTAYAで借りて観た。
観ようと思った理由は興味。
当時の僕は既にゲームを死ぬほどやり、漫画を死ぬほど読み、ラノベを死ぬほど読んでいたオタク予備軍だった。
アニメを借りてきて家のPCで観ることも日常だった。
何の話だかも良く知らないが、どうやら有名なアニメらしい、ぐらいのことしか考えてなかった思う。
ただ少しアニメに詳しくなり始め、エヴァという作品はアニメを語るにあたって恐らく避けては通れぬ作品なのだろう、と当時なんとなく感じていた。
観た。一気に。まごころまで。
そして、寝込んだ。
軽いトラウマになった。
今ほど多感では無かった筈だが、それでも思春期真っ盛りの好青年の精神を破壊するには十分すぎる内容だった。
でももう観たくない、考えたくない、ではなく、もっと観たい、もっとエヴァの事が知りたいと思うようになった。
好きなものに大して一直線で、一度ハマるとその事しか考えられなくなるのは今と変わらない。
綾波レイに本気で恋をした。
恐らく生まれて初めて死というものについて真剣に考えた。
ネットでエヴァの考察を読み漁り、どうやら聖書やら哲学やら、心理学までもが関係しているらしいということを知り、哲学書や心理学書、それらに関するエッセイ等を読み漁った。
なんと大学生時代には実際に聖書を持って他の大学に忍び込み、聖書学の授業を聴きに行く始末。恐ろしい程の知識への貪欲さ。
当時はもしかしたら常にブツブツ何か言っていたかもしれない。
ゲンドウ君みたく人間を鬱陶しく感じていたかもしれない。
当時の自分を親が見たら多分ガチで心配するやつだと思う。
それぐらいにエヴァに心酔していた。
中学~大学時代という、最も知識を吸収し易いであろう時期にこういった文章を読み漁って得た知識が今の僕の人格を創り上げている、ということは間違いない。
つまりエヴァが無ければ今の自分は無い。これは断言出来る。
今この文章を書いている時の僕の思考さえも、元を辿ればエヴァから学び得た知識から来るものなんでしょう。
今になって思えば、自分で言うのも難だけど、意外にもこういった行動が良い方向に運んだなぁと思う(そう信じたい)。
物事に対する考え方がガラッと変わったし、エヴァに出会わなかった自分を想像してみると知識量に雲泥の差があると思うし、思慮深い人間になっていると思う。自分大好きだから自分めっちゃ褒める。
エヴァに出会わなければ、キルケゴールの死に至る病なんて絶対に読んでいない。
つまりエヴァとは教養なのだ(結論の崩壊)。
そんな僕の人格形成に多大過ぎる影響を与えて来た作品が完結したんですよ。
その終わりを目の当たりにすることが出来たという感動。
本当に終わってしまったんだという寂しさが同時に畳み掛けてきてもう滅茶苦茶。
正直前者2後者8ぐらい。泣いてる。
公開初日に有給を取って映画館に行ったのだけれど、平日昼間だというのに映画館は険しい表情をしたオタクでいっぱいだった。異様な緊張感だった。
みんな考えていることは同じ、「全てを今日終わらせに来た」という覚悟を持ったオタク達だった。
そして終劇。
考えがまとまらない、泣く事すら出来ない、あまりに一瞬で壮絶な二時間半。
観終わったらポスターを買おうと思っていたのに、そんなこと完全に忘れ気付いたら家にいる始末。どうやって帰ったんだレベルの放心状態。
正直シンエヴァ、というかエヴァそのものについての感想みたいなものは未だにまとまらないし、永遠にまとまらない気がするし、もはやまとめる気もないし、それがエヴァじゃんみたいに思ってる(思考放棄)。
というか結論付けをしたくない自分がいる。
僕は一生エヴァの事で悩んでいたいし、綾波レイに恋い焦がれていたい。
だから感想は特にありません(思考停止)。
ただ一つだけ、シンエヴァを観て痛烈に感じた事。
それは月日の流れです。
終わらないと思っていたエヴァも終わる。
シンジもマリも歳を取る。
結局最終的に「エヴァのヒロイン」になったのはマリだった。
僕達が熱狂したレイでもアスカでも無かった。
この結末は「いつまでもレイとアスカを追いかけてないで君達も大人になれ、シンジがそうなったように」という皮肉を込めた庵野監督からのメッセージなのではないか、とも思っている。
本当に、完璧に終わった。
あの訳の分からなかったQまでのエヴァを終わらせるに足る完璧な内容だった。
またまごころのように訳の分からない終わり方をして、なんだよこれで終わりかよみたいな結末を若干望んでいた自分がいた。そうすればまた「次」があると思えるから。
でも完膚なきまでに完璧に終わった。
自分も歳だけは取ったし、初めてTV版エヴァを観た時とも、序を観た時とも世の中も大きく変わった。
なのに僕は変わらず綾波レイの姿を追い求めている。
これがエヴァの呪縛ですか、僕はもうチルドレンじゃないのに。